MTGアリーナ ヒストリック 4color underworld breach combo
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唐突に始まるMTGA編
そもそもヒストリックとはなんぞやというところからなのだが、
ざっくり説明すると、MTGAに収録されているカード全てが使える構築フォーマットのこと。
一応禁止カードも制定されていて、現時点だと「王冠泥棒、オーコ」、「むかしむかし」、「夏の帳」が禁止カードに指定されている
親の顔より見た駄目な人達
MTGA専用フォーマットかつ、期間限定でしかランク戦をやっていない過疎フォーマットなため、情報自体が少ない。そんなわけで殆ど手探り状態の環境ではあるが、少しでも情報の足しになってもらえたら幸いである。
だらだらとフォーマットの説明を垂れ流していても仕方ないので、
本題のデッキがこちら。
※MTGAの画像キャプチャだけだと見づらいのでリストも同時に記載。
Deck
4 Mox Amber (DAR) 224
4 Underworld Breach (THB) 161
1 Thassa's Oracle (THB) 73
4 Diligent Excavator (DAR) 51
4 Tamiyo, Collector of Tales (WAR) 220
4 Teferi, Time Raveler (WAR) 221
4 Stonecoil Serpent (ELD) 235
4 Emry, Lurker of the Loch (ELD) 43
3 Fblthp, the Lost (WAR) 50
4 Mind Stone (WTH) 153
4 Steam Vents (GRN) 257
3 Sacred Foundry (GRN) 254
4 Interplanar Beacon (WAR) 247
2 Rootbound Crag (XLN) 256
3 Glacial Fortress (XLN) 255
4 Breeding Pool (RNA) 246
3 Sulfur Falls (DAR) 247
1 Island (UND) 89
Sideboard
1 Soul-Guide Lantern (THB) 237
1 Chandra, Awakened Inferno (M20) 127
4 Aether Gust (M20) 42
3 Mystical Dispute (ELD) 58
2 Fry (M20) 140
2 Saheeli, Sublime Artificer (WAR) 234
2 Blink of an Eye (DAR) 46
デッキの骨格は前スタンダード(禁止改定ありすぎて麻痺しているが)のケシス・コンボを「死の国からの脱出」に置き換えたもの。
動きを簡単に説明すると
- まず「精励する発掘者」等で墓地にカードを貯める。
- 十分に墓地が肥えたら「死の国からの脱出」をプレイする。
- その際に墓地にある「モックス・アンバー」を唱えると「精励する発掘者」の能力が誘発、対象を自分にすることで墓地が増える。
- これを繰り返していくと、最終的に自分のライブラリーがなくなる。
- 「モックス・アンバー」から生み出しておいた青マナを使って墓地から「タッサの神託者」をプレイして勝利する。
というデッキである。
「モックス・アンバー」を脱出させるためには1回につき墓地が3枚必要なので、完全なループを形成するには「モックス・アンバー」「精励する発掘者」がそれぞれ2枚ずつ必要。
但し、ケシス・コンボと違うのはこれらのコンボパーツが全て墓地にあっても良い点である。墓地が大量にある状態ならコンボパーツを全て墓地からプレイした後でループに入ることができる。
また、ループを形成するのはこれらの組み合わせだけではない。
1枚の「精励する発掘者」と1マナでキャストできる状態の「湖に潜む者、エムリー」、「モックス・アンバー」がそれぞれ2枚ずつの組み合わせでもループに入ることができる。
「精励する発掘者」が戦場にある状態での「湖に潜む者、エムリー」は都合6枚の墓地が肥えるため、「モックス・アンバー」をプレイするたび2枚ずつ墓地が増えていく計算になる。
この状態ではただで墓地を増やせるので、十分に墓地を肥やした後2枚目の「精励する発掘者」をプレイするか、そのまま「タッサの神託者」に繋げて勝利する。
また、マナが追加で必要ない状態なら「モックス・アンバー」は「石とぐろの海蛇」でも代替可能だ。
「石とぐろの海蛇」はX=0でプレイすることで「精励する発掘者」の能力を誘発した後、すぐに墓地に置かれる。このため「モックス・アンバー」と違い1枚だけでループに入ることができる。
ここまでの流れを纏めると、
「死の国からの脱出」がある状態で
・「精励する発掘者」2枚、「モックス・アンバー」2枚、または「石とぐろの海蛇」1枚
・「精励する発掘者」1枚、「湖に潜む者、エムリー」2枚(※1マナで唱えられる状態)、「モックス・アンバー」2枚
のいずれかを揃えることができれば完全なループに入ることができる。
ループに入るためにはどちらのルートでもそれなりの枚数が必要なのだが、墓地を肥やしていく過程で揃っていくため、墓地の枚数さえあれば見た目よりずっと揃いやすいのがこのデッキの特徴である。
・個別カード解説
「モックス・アンバー」
デッキのキーカードその1。
「湖に潜む者、エムリー」とのシナジーが強力で、エムリーを出すためのサポートになりつつ、自身もエムリーの効果で墓地から拾うことができる。
墓地から拾えるのは重要で「死の国からの脱出」1回分の墓地消費を抑えることができるため、早いターンにコンボを仕掛ける際に重宝する。
気をつける点としては、伝説のクリーチャーかPWをコントロールしていないとマナが出せないのでコンボ中は特に注意が必要。
他にも「精励する発掘者」や「時を解す者、テフェリー」等ともシナジーする。
「精励する発掘者」なら0マナで墓地を2枚肥やせるし、「時を解す者、テフェリー」ならマナを出した後バウンスすることで実質1マナで場に出すことができる。
基本的には「精励する発掘者」や伝説のクリーチャー、PWを出した後にプレイした方が良いが、対戦相手が「スレイベンの守護者、サリア」を使用しているデッキの場合は「湖に潜む者、エムリー」のコスト軽減のために先出ししておいたほうがいいだろう。
「石とぐろの海蛇」
デッキの潤滑油でありながらコンボパーツにもなるカード。
特にサイドボード後のゲームで強く、相手がコンボを警戒しているとこのカードだけで殴り勝ってしまうこともしばしばある。
サイドボード後、墓地対策をされたのに間違って殴り勝ってしまう例
プロテクション(多色)とトランプルの組み合わせが強く、たとえ除去できたとしても「湖に潜む者、エムリー」で戻ってきたりするので意外と侮れない。
また、隠された能力No.1の到達も持ち合わせているのでブロッカーとしても頼りになる。青単戦など飛行アグロに対してPWを守るために重宝するだろう。
MTGAヒストリック環境で最も流行っているグルール・アグロに対してプロテクション(多色)が効果的なブロッカーかつ、「湖に潜む者、エムリー」のコスト軽減にも使えるので1ターン目にプレイすることも少なくない。
総じてフレキシブルな動きができる分デッキ内で最も扱いの難しいカードといえる。
「精励する発掘者」
デッキのキーカードその2。
基本的には自分の墓地を肥やすために使うが、「漂流自我」等で「タッサの神託者」を抜かれた場合は対戦相手のライブラリーを削ることもある。
このテクニックは「精励する発掘者」を複数枚並べる余裕があり、かつ「漂流自我」を使用してくる対「死者の原野」デッキで使うことがある。
サイドボード後のゲームでは「霊気の疾風」を完全除去にすることもできる。1/3というサイズもアグロ・デッキに対しては優秀なのでサイドボード後の対戦では特に頼りになる。
「迷い子、フブルスプ」
デッキの潤滑油。2マナの伝説のクリーチャーで「モックス・アンバー」の条件を満たしつつアドバンテージを失わない。
特筆することもないカードだが、「時を解す者、テフェリー」でアドバンテージを得たり、「砕骨の巨人/踏みつけ」で対処されづらかったりと渋い働きを見せることも。
サイドボード後は最速でコンボを狙うことが少なくなるため、コンボのドローサポートにしかならないこのカードは抜けやすい。
「タッサの神託者」
デッキの勝利手段。ゲームの大半はこのカードで勝利することが殆どだろう。
既に占術目的やブロッカー目的で戦場に出してしまっている場合は「時を解す者、テフェリー」で手札に戻すか、ブロックするなどして墓地に置く必要がある。
稀に「義賊」や「苦悶の悔恨」で抜かれて困ってしまうこともあるので「迷い子、フブルスプ」を減らして2枚目の採用を検討しても良い。ただ、単体では占術2相当とあまり強くないので、枚数を割きたい類のカードではないのも事実。
似たような勝利手段として「神秘を操る者、ジェイス」があるが、こちらを採用している理由としては、「スレイベンの守護者、サリア」や「耳の痛い静寂」があっても「精励する発掘者」2枚、「石とぐろの海蛇」ルートで勝利できる、「覆いを割く者、ナーセット」を無視できるというメリットがある。
また、最後に捻出するマナが青2マナで十分なので墓地の消費が少なくて済む。特にサイド後の対戦では墓地対策を食らって墓地枚数が少ないところからコンボを始動したりするので、こちらも小さくないメリットといえる。
「死の国からの脱出」
デッキ名にもなっているキーカード。このカードのおかげでデッキが成立した。
「隠された手、ケシス」との違いとして、エンチャントなため、このカードが出ている限り能力が有効になるので、このカードを戦場に出した後で墓地に置かれたカードも脱出を持つこと、デッキを伝説で固める必要がないこと、1赤の2マナなので色拘束が緩いことが挙げられる。
マナや墓地に余裕がある状態でコンボスタートする場合、墓地の「死の国からの脱出」を先に脱出させておくとエンチャント破壊を構えられていてもコンボを決めることができるので、ケアできる状況では覚えておきたい。
また、普通に使って墓地のカードを脱出させることもできる。サイドボード後は対戦相手の対策カードと相対するためリソースが枯渇しやすいが、これで何枚か脱出させてリソースを回復できる。
その際「時を解す者、テフェリー」でこのカードをバウンスしておくと、このカードを消費せずにリソースを得られるので、次のターン以降にコンボを仕掛ける際にも役に立つだろう。
「精神石」
パイオニアには無いがヒストリックには存在するカード。
現代基準では2マナの非マナクリのマナ加速は貴重で、更にアーティファクトとなるとこのカードが環境で唯一無二の存在。
特にアーティファクトであるのが重要で「湖に潜む者、エムリー」、「精励する発掘者」とシナジーする。特に前者との組み合わせが強力で毎ターンドロー能力を起動することでアドバンテージを得られる。
単純に3ターン目の「伝承の収集者、タミヨウ」に繋がる加速としても十分だし、「死の国からの脱出」を置く際にもマナはあるに越したことはないので、非常にデッキと合っているマナ加速である。
サイドボード後は速度の必要がない相手や重いカードを減らす際に数枚サイドアウトする候補になる。
「湖に潜む者、エムリー」
他のカードの解説の項でもさんざん説明してきたように、デッキ内のカードとのシナジーが非常に多いカード。最終的にコンボパーツになることもしばしばある。
「モックス・アンバー」の起動条件を満たし、「死の国からの脱出」を使うための墓地を用意し、「精神石」や「石とぐろの海蛇」を何度も使いまわし、最終的には「精励する発掘者」と組んでコンボを完遂する、と八面六臂の活躍を見せる。
サイドボード後も重要なカードだが、墓地対策が入ってくることから除去の薄い相手には数枚サイドアウトする。
「時を解す者、テフェリー」
通常、イゼット・カラー(青赤)で組まれている「死の国からの脱出」コンボに白をタッチする、最大の理由になるカード。
常在型能力、起動型能力ともにコンボ・デッキの性質と噛み合っており、更に伝説のカードでもあるために「モックス・アンバー」の起動条件になり、「精励する発掘者」の能力も誘発させると、至れり尽くせりだ。
自分のパーマネントを戻すこともできるため、その応用力には枚挙にいとまがない。
このカードも「石とぐろの海蛇」程ではないものの用途が広く、適切に扱うのが難しいカードと言える。
「伝承の収集者、タミヨウ」
これもまた「死の国からの脱出」コンボに緑をタッチする理由と言えるカード。
このデッキができる前、元々はティムール・カラー(青赤緑)の「死の国からの脱出」デッキを使っていたのだが、緑のカードの中でも特に「伝承の収集者、タミヨウ」の使用感が良かった。
他のカードでは墓地を肥やす/「死の国からの脱出」を手札に加える、のどちらかしかできないのだが、このカードはその両方を1枚でこなす。
そして更に重要なのが「湖に潜む者、エムリー」等で既に墓地に落ちてしまった「死の国からの脱出」を回収できることであり、この点が他のドロー/サーチカードにはない最大のメリットである。
常在型能力も「思考消去」から重要なカードを守ってくれる点でありがたい。
全ての能力が必要でこのカードの存在がデッキの安定性と妨害に対する耐性に寄与しているといえるだろう。
サイドボード後のゲームでは特にリソースが重要になりやすいので、このカードは強力だが速度が速く軽量の打ち消しを持っている相手(青単やシミックフラッシュ等)には数枚サイドアウトされる。
「次元間の標」
マナベースは後述するが、このカードが無ければ4色(青赤タッチ白緑)というマナベースが成立することはなかったので個別に解説。
デッキを見てもらえばわかるのだが、「死の国からの脱出」を除けば、このデッキは青単で「時を解す者、テフェリー」「伝承の収集者、タミヨウ」のためだけに白と緑をタッチしている。
ヒストリックでは汎用5色地形がなく、多色デッキは総じてショックランド(出るに際し2点支払わないとタップインする土地の総称)/チェックランド(対応する基本土地がないとタップインする土地の総称)の組み合わせに頼ることになるのだが、当然色を増やすとなればライフ損失、タップインの頻度が増えることになる。
そこで発見されたのがこの「次元間の標」である。
この土地は常にアンタップインしライフ損失どころかライフ回復までしてくれる。
当然PW以外の白や緑のカードは使えないが、PWのみに採用カードを絞るなら
実質「寺院の庭」の上位互換として扱えるのである。
この土地のおかげでデッキが形になったので、裏の立役者ともいえる存在だ。
・マナベースについて
上記のサイトで計算したところ、個人的に満足のいく数値として青15/赤12/白10/緑10が要求されたのでそれに沿うようにマナベースを構築した。
採用している全てのショックランドで全てのチェックランドがアンタップインするように配分し、気持ち3ターン目の白マナを緑マナより捻出しやすいようにした。
「時を解す者、テフェリー」以外は想定ターンまでには9割以上の確率でマナの色が揃っているが、万全を期すなら島を青白土地に変えても良い。
しかし、環境には「幽霊街」や「廃墟の地」が存在しているので、多少安定性を犠牲にしても1枚は基本土地を用意したかったため、上記の土地配分となった。
※次元間の標は対応していないので寺院の庭で代替して計算。実際は赤白/赤緑/次元間の標のような組み合わせでもテフェリーが唱えられたりするので若干確率は高い。(青マナのない手札をキープすることはほぼないので、そのような事態にはそうそうならないが)
・サイドボードについて
現時点でのサイドボードだが、個人的に必須だと思っているカードについて解説していく。サイドカードはメタゲームによって変わるので、適宜微調整していることを付け加えておきたい。
「霊気の疾風」
主に環境で最も多いグルール・アグロや赤単に対するサイドカード。
パーマネントや呪文に触れられるので、クリーチャーを戻して相手の展開を遅らせるだけでなく「燃え殻蔦」「自然への回帰」等のメタカードへの対策として使うこともできる受けの広さが売り。
「精励する発掘者」の項でも説明した通り、組み合わせることで除去として使える他、自分の「伝承の収集者、タミヨウ」や「死の国からの脱出」を戻すという用途に使えたりもする。
対荒野の再生デッキや創案の火デッキ相手にも悪くはないが、所詮は1:1交換のカードなのでこちらもコンボ・デッキの都合上、この手のカードを入れるより自分の動きを優先した方がいいだろう。もし入れる場合でも4枚全ては入れず1,2枚で留めておくほうが無難。
「神秘の論争」
青系コントロール(エスパー、ジェスカイ、青白)や対コンボデッキ(ケシス、荒野の再生、死者の原野)へのサイドカード。青単やイゼットフラッシュ等のクロック・パーミッション系のデッキにも悪くない働きをする。
自分のコンボを通すために使いたいので2マナの「否認」や「軽蔑的な一撃」より優先してサイドに取りたい。「モックス・アンバー」のマナで構えやすいのも評価できるポイント。
似たようなカードに「呪文貫き」もあるが、打ち消したいカードは青いカードやクリーチャー呪文も多いのでこちらに軍配が上がる。
現状は3枚で足りているが青系コントロールやクロック・パーミッションが増えるなら4枚目を取っても良い。
「丸焼き」
主に対白系アグロ(白単、青白ヘイトベアー)、青系アグロ(青単やフラッシュ系)、ケシス・コンボなどで活躍する。
除去したい対象としては「スレイベンの守護者、サリア」、「翻弄する魔道士」、「夢を引き裂く者、アショク」が主要な候補として挙げられる。
他火力でも良いが白系デッキはサイズが上がりやすいこと、「夢を引き裂く者、アショク」を倒せること、青系アグロのクリーチャーをカウンターを気にせず落とせることから最低2枚程度は採用したい。
「翻弄する魔道士」を重くみるなら他火力と併用した方が良い。その場合「シヴの火」、「砕骨の巨人/踏みつけ」、「炎の一掃」辺りがオススメ。
「魂標ランタン」
見たままの墓地対策。同系やケシス・コンボ、イゼット・フェニックス等、墓地を多用するデッキに対して入れる。
環境にある墓地対策で対戦相手の墓地だけ一方的に追放できるものは他に「夢を引き裂く者、アショク」があるが、軽いこと、インスタントタイミングで使えること、「湖に潜む者、エムリー」とのシナジーを鑑みてこちらを採用している。
特にドロー能力を使い回すのは「精神石」と同様の動きなので、
サイドインする際には「精神石」と入れ替えることが多い。
注意点としては対戦相手の墓地にカードがない場合、自分の墓地を1枚追放しないといけないので置くタイミングには気をつける必要がある。
「崇高な工匠、サヒーリ」
サイドボード後に勝ち手段になり、かつコンボパーツとしても使えるカード。
主に妨害の多いコントロールやミッドレンジ相手のサイド後のゲームで活躍する。
「漂流自我」を受けた後でも単体で勝ちに行ける。
単体で勝ちに行けるカードは他にもあるが、このカードは軽い上コンボパーツの一角としても働くのが他にはない優秀なところだ。
そのコンボパーツとなりえるのが「精励する発掘者」をコピーする動き。
サイドボード後は対戦相手の除去が増え「精励する発掘者」を2枚も並べることは難しくなるので、それを水増しできるのは重要。
他にもトークンを「精神石」に化けてドローに変えることもある。
細かいところだが「モックス・アンバー」から赤マナを捻出できるようになるのも忘れてはいけない。「次元間の標」を使って出した後「死の国からの脱出」をプレイできる。
個人的にはここまでがサイドの必須枠としているカード群で、その他のカードはその時々のメタゲームで変動させている。
「一瞬」、「目覚めた猛火、チャンドラ」の他にも、「ドミナリアの英雄、テフェリー」「主無き者、サルカン」「夢を引き裂く者、アショク」「ゴブリンのクレーター掘り」「エンバレスの盾割り」「シヴの火」「砕骨の巨人/踏みつけ」「炎の一掃」「厚かましい借り手/些細な盗み」「危険な航海」「レッドキャップの乱闘」「無謀な空襲」「魔術遠眼鏡」「爆発域」辺りが候補として挙げられるだろう。
・各種主要デッキとサイドボーディングプラン
予め断っておくと、自分は特定のデッキに対して事前にサイドボーディングを決めておくということはしていない。同じアーキタイプだとしてもデッキリストの細部が違ったり、対戦相手のサイドボーディングプランが想定と違うことも多いからだ。
なのでサイドプランに関しては大まかにサイド後に強そうなカードと弱そうなカードについて解説するに留めておく。
有利/不利に関してもデッキの細部で変わってくるため、どのようなカード/局面が有利/不利になるのかを記載していく。
・グルールアグロ
やや勝ち越しているが殆ど五分の相性。
メインボードは先手の側が圧倒することが大半。
後手で勝つ場合は「石とぐろの海蛇」が絡んでいることが多く、これをブロッカーに立てている間に「時を解す者、テフェリー」や「伝承の収集者、タミヨウ」を機能させてコンボに入るパターン。
また、グルールアグロはメインボードの除去が少なく「精励する発掘者」が残りやすいので、これを複数枚引いて4ターン目にコンボ始動というケースもある。
負けパターンとしては序盤の(「炎樹族の使者」を含む)ラッシュからの「探索する獣」が止まらず、または「エンバレスの宝剣」で大ダメージの二つ。他のクリーチャーだけでコンボ完遂前に殴り切られることはあまりない。
サイドボード後は「燃え殻蔦」「運命の神、クローティス」「打ち壊すブロントドン」「溶岩コイル」等が入ってくる。
相手も速度が落ちるので最速で殴り切られる確率は減るが、こちらがコンボを決めるのも難しくなるので相性はあまり変わらない。
サイド後弱くなるカードとしては、ブロッカーとして頼りない「迷い子、フブルスプ」、出せるタイミングに乏しい「精神石」、アーティファクトを減らす関係上重くなる「湖に潜む者、エムリー」、同じくカードが重く出せるタイミングが限られる「伝承の収集者、タミヨウ」が挙げられる。
サイド後強いカードとしては、対策のために取っている「霊気の疾風」をはじめ、「レッドキャップの乱闘」「溶岩コイル」等のタフネス4を除去できるカード群がコンボを決めるための時間稼ぎとして有力。
・白単ライフゲイン
メインボードこそ圧倒的に有利なもののサイドボード後に厳しくなる相手
メインに関しては妨害も少なく除去もあまりないため、順当に回ればあまり苦労することなく勝てるだろう。
問題はサイドボード後のゲームで「スレイベンの守護者、サリア」「耳の痛い静寂」「魂標ランタン」「不可解な終焉」等が追加され相性が悪化する。
これらのために除去やバウンスを入れる必要がありこちらは速度が落ちるが、対戦相手の繰り出してくるカード群はどれも軽いものが多くあまり展開速度が落ちない。
そのためグルールアグロの対策カードよりも問題になりやすい。
とはいえ「スレイベンの守護者、サリア」「耳の痛い静寂」はすり抜けてコンボを決めるルートがあるし、「魂標ランタン」はコンボ時までは何もしないので事前にバウンスするか「精励する発掘者」を複数枚並べておいてからコンボに入ることでケアできる場合もある。
サイド後のゲームでは「不可解な終焉」が増えるので「精励する発掘者」「湖に潜む者、エムリー」を出しておくにはリスクがあるが、対策カードをケアする場合、予め盤面を作っておくことが求められるので、リスクは承知で戦場に出しておいた方が良いことが多い。
ただ、白単側もドロー操作も何もあるわけではないので対策カードを複数枚引いているということもあまりない。対処できるカードを引ければそのままコンボを決めることもありうる。
概して、メインゲームを取って、サイド後のゲームではどちらか1ゲームを取って勝つという方針が良いだろう。
サイド後弱いカードとしては「スレイベンの守護者、サリア」「耳の痛い静寂」に引っかかりやすい「精神石」、重い「伝承の収集者、タミヨウ」が挙げられる。
弱いカードではないが対戦相手には除去が少ないため「湖に潜む者、エムリー」も減らす候補に挙がる。「モックス・アンバー」では決まらないルートもあるためこれも減らせる候補にはなる。
サイド後強いカードには対策のために入れている「丸焼き」等の除去や「一瞬」等のバウンス。トランプルや飛行クリーチャー、PWを直接除去する手段は少ないので「崇高な工匠、サヒーリ」も悪くないが、後手の場合出すタイミングに困るので入れるのは先手だけにした方がいいかもしれない。
・赤単アグロ
概ねグルールアグロと同じだが、相手のクリーチャーのサイズが小さく負けるまでに猶予があるので少しだけ有利。
除去が多いので「精励する発掘者」や「湖に潜む者、エムリー」は場に残りづらいが、墓地さえ肥やしておけば「死の国からの脱出」から一気に逆転できる。
負けパターンとしては、1,2ターン目に展開されたクリーチャーが止まらず、ブロッカーに除去を打ち続けられて墓地を肥やす暇がなく負けるケース。
クリーチャーが少なく火力が多いので「伝承の収集者、タミヨウ」はグルール戦と比べて場に残りやすい。逆に「時を解す者、テフェリー」はあまり効果的でない局面が多い。
サイドボード後のゲームでもグルールと違い、対策カードが取られていないことが多いので、概ね有利に戦えるだろう。逆に墓地対策を取られている場合は厳しい戦いになる。
サイドボード後弱いカードとしては、「ゴブリンの鎖回し」されるだけの「迷い子、フブルスプ」、バウンスがあまり効果的ではない「時を解す者、テフェリー」ただし、対戦相手が「エンバレスの宝剣」を用いているリストの場合は有効なので、その場合は重い「伝承の収集者、タミヨウ」を減らす。
サイド後強いカードは全てのカードが対象になる「霊気の疾風」があるが、パーマネントが少なくグルールほど有効ではないので少しだけ入れるか、別の除去(火力等)があるならそちらを入れたほうが良い。対戦相手の墓地対策をケアする場合「時を解す者、テフェリー」を残すか「一瞬」等のバウンスを入れる。
・青単テンポ
メインボードの相性はやや不利。
軽いクリーチャーと軽い打ち消しの組み合わせにコンボを通すのは至難の業。
しかしながら「石とぐろの海蛇」と「時を解す者、テフェリー」が非常に強いので見た目以上に戦える印象。
相手は場に出てしまった「湖に潜む者、エムリー」に触れる手段が「厚かましい借り手/些細な盗み」くらいしかないので、これを着地させることができれば「石とぐろの海蛇」を戻してブロッカーに立てたり、「モックス・アンバー」、「精神石」を回収して「時を解す者、テフェリー」を「呪文貫き」の圏外に持っていきやすくなる。
サイドボード後はこちらも対戦相手の展開に対して妨害ができるので相性は改善され、五分で戦える。
サイド後弱いカードとしては、やはり飛行生物に対してブロッカーにならない「迷い子、フブルスプ」、重く相手のカウンターにかかりやすい「伝承の収集者、タミヨウ」
サイド後強いカードは、相手のクロック、打ち消しに対する打ち消しの両方を弾ける「神秘の論争」、打ち消されずにクロックを落とせる「丸焼き」
似たようなデッキにイゼットフラッシュがあるが、こちらは更に相性が悪い。
火力で「湖に潜む者、エムリー」が除去される分が相性が悪くなっている。
対青単と違い「石とぐろの海蛇」もブロッカーとして安定しないので、クロックを落とすために「霊気の疾風」を入れたほうが良い。
・青系コントロール(エスパー/グリクシス/ジェスカイ/青白)
採用されているカードには違いがあるが、どの形もメインボードは無駄カードがある分少し有利。
ゲームに負けるまでには時間がかかるので、土地を伸ばして「伝承の収集者、タミヨウ」でアドバンテージを稼ぎ「時を解す者、テフェリー」を着地させることができれば勝てる。
意外と「石とぐろの海蛇」を除去できるカードは少ないので、上記のPWを着地させる露払い役として重宝する。相手のPWに圧力をかける意味でも強く、何も対応策がなければ単体で勝ってしまうことも。「湖に潜む者、エムリー」と並べて全体除去で両方持っていかれる展開だけは避けたい。
ロングゲームになる関係上「死の国からの脱出」が嵩張りやすいので、普通に使ってアドバンテージを得る使い方も視野に入れておく。
サイドボード後は相手も無駄牌を有効なカードに差し替えてくるので不利に
サイド後のゲームでは「夢を引き裂く者、アショク」や「漂流自我」で「死の国からの脱出」や「タッサの神託者」を失ってコンボで勝てなくなってしまう場合がある。
ただ、このデッキには「石とぐろの海蛇」を「湖に潜む者、エムリー」や「伝承の収集者、タミヨウ」で使い回すという勝ち筋が残っているので最後まで諦めてはいけない。
「夢を引き裂く者、アショク」や「漂流自我」は盤面に干渉しないカードなので複数枚引いてしまった結果、こちらの雑ビートダウンで押し切れることも少なくない。
サイドボード後弱いカードとしては、墓地対策をされると弱い「湖に潜む者、エムリー」、アドバンテージ戦になるので単体では何もしない「モックス・アンバー」、長期戦になり土地は伸びるのでマナ加速する必要が薄い「精神石」辺りが減らす候補。
サイドボード後強いカードには単体で勝てる「崇高な工匠、サヒーリ」、打ち消しに対する打ち消しとして「神秘の論争」、入れていれば「目覚めた猛火、チャンドラ」等のPW等。「夢を引き裂く者、アショク」に関しては常在型能力には特に問題がないので「丸焼き」は入れずにできるだけ殴って落とせるようにしたい。もし「正気泥棒」のようなカードを入れてくる相手であれば「丸焼き」を入れることを考慮する。
・死者の原野(バント/スゥルタイ)
バント/スゥルタイだけでなく様々な形があるが、どの形に対しても基本的には有利。
メインボードで気をつける点としては「不屈の巡礼者、ゴロス」で「ボジューカの沼」を持ってこられてしまい墓地にあった「タッサの神託者」等が吹き飛んで勝てなくなってしまうパターン。
もしこのような状況になってしまった場合、コントロールデッキと違い「死者の原野」デッキ相手に盤面で勝つことは難しいので、すぐに「精励する発掘者」ライブラリーアウトに移行するのが望ましい。
サイドボード後も土地が多く妨害が少ないので有利だが、スゥルタイ型は「漂流自我」を入れていることが多いので少し厳しい。
サイドボード後弱いカードは、盤面に影響を与えない「迷い子、フブルスプ」、除去が少ない相手なので「湖に潜む者、エムリー」、カウンターもそれほど枚数が多くないので「時を解す者、テフェリー」を減らすことも考えられる。
サイドボード後強いカードは相手の妨害に対する打ち消しになる「神秘の論争」のみで、スゥルタイ型の場合に「精励する発掘者」を擬似的に増やせる「崇高な工匠、サヒーリ」を考慮する程度。「霊気の疾風」は相手の動きを遅らせられるものの「不屈の巡礼者、ゴロス」や「漂流自我」、対戦相手の「神秘の論争」などには無力なので無理に入れる必要はない。
・ネクサス(シミック/バント)
メインボードはカウンター等の妨害が少なく動きも遅いため有利。
相手のデッキに対してキラーカードとなる「時を解す者、テフェリー」が4枚入っていて、最速でコンボを決めなくても「時を解す者、テフェリー」さえ通してしまえば、相手の勝ち手段を封じられるので、どかすためのカードを引くまでかなりの時間を稼げる。
サイドボード後は相手も不要牌をカウンター等に入れ替えてきて五分に。
サイド後も変わらず「時を解す者、テフェリー」が鍵でゲームはこのカードをうまく通せるかどうかに懸かっていると言っても過言ではない。
サイド後弱いカードは早く仕掛ける必要はないので「精神石」、除去が薄い相手なので複数枚は必要ない「湖に潜む者、エムリー」、殴るPWもあまりないので「石とぐろの海蛇」も減らして良い。
サイド後強いカードは相手の殆どのカードを1マナで打ち消せる「神秘の論争」、「アズカンタの探索」「自然の怒りのタイタン、ウーロ」を遅らせられる「魂標ランタン」を入れてもいいだろう。相手が「探索する獣」等ではアグレッシブプランを取ってきた場合、「霊気の疾風」を入れるということもある。
ヒストリックには他にもたくさんのデッキがあるが、まだまだ開拓段階なので解説はここまでにしておきたい。一応、先月、今月とミシックランクまでいけるデッキパワーはあったので、試してもらえれば幸いである。
※参考までに記録を取り始めてからの戦績
※MPCをジャンドサクリファイス(パンくずなし型)で出てティムール再生に3敗して3-3(いわゆる鳴かず飛ばずジャンド)したせいで、スタンダードにむかついてむしゃくしゃして書いてしまった駄文なのでクオリティは保証しかねます。