遊び人ルチャブル
少し前の話だが、WCSルールにおいて最も使われていたカプ系ポケモンといえば
カプ・コケコである。
最速130族の素早さから繰り出されるフィールド一致電気技は、
新しく追加されたZ技との相性もあり非常に強力。
その活躍はWCSルールだけに留まらず通常ダブルレートにまで躍進することとなった。
ライバル格のボルトロスが悪戯心の弱体化に伴って勢いを落としたこともあるが、
そもそも電気ポケモンというのは非常に優遇されたタイプだ。
弱点は地面のみ、攻撃側としても鋼に等倍で入る数少ないタイプであり、
半減/無効も地面、草、ドラゴンと少なく、等倍以上の範囲が広い。
その電気技を高い火力で撃てるカプ・コケコが環境の中心になるのは必然的だった。
一方、フィールドで恩恵を受けているのはカプ系統だけではない。
WCSルールでもカプ・テテフ、フワライド(通称テテフライド)等の構築でみられる、
各種シード系+軽業のコンボはダブルバトルを変えたといっても過言ではないだろう。
これまでの素早さ操作といえば天候であったり、
追い風やトリックルーム等の技によるものであったので、
天候を変えたり、技を使われる前に封じたり倒したりすることで、素早さ操作を阻害することができたが、
このシード+軽業コンボはフィールドが変わった瞬間に発動するため、阻害する方法はない。
更にシードによって耐久もあがるため安定してサポートに徹することが可能となったのである。
強力な電気ポケモンの台頭、フィールド軽業コンボの発見、
この二つが一致して生まれたのが、
遊び人泥遊びルチャブルなのである。
・サンプルパーティ
ポケモン | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 持ち物 | 特性 |
---|---|---|---|---|---|---|
カプ・レヒレ | 濁流 | ムーンフォース | 凍える風 | 守る | 弱点保険 | ミストメイカー |
カミツルギ | リーフブレード | 聖なる剣 | はたき落とす | 見切り | 気合の襷 | ビーストブースト |
リザードン | 熱風 | ソーラービーム | 追い風 | 守る | リザードナイトY | 猛火→日照り |
テッカグヤ | ヘビーボンバー | 火炎放射 | 宿り木の種 | みがわり | 食べ残し | ビーストブースト |
ルチャブル | フリーフォール | 泥遊び | 追い風 | 見切り | ミストシード | 軽業 |
ジャラランガ | スケイルノイズ | インファイト | 火炎放射 | 守る | ジャラランガZ | 防弾 |
QRレンタルチーム「泥遊びルチャブル」のページ|ポケモングローバルリンク https://3ds.pokemon-gl.com/rentalteam/usum/BT-65C3-4CC4 #pgl
この構築自体はサンムーン時代から使っていたが、
補完役に最適なジャラランガの加入が大きい。
また、構築を組むにあたって電気ポケモン、とりわけカプ・コケコに
(見た目)弱く構築しなければならないという縛りがあったことは留意されたい。
飛んでいるポケモンが3匹もいて誰も地震を使わないという、
ある種のハンデを背負っているが、コンセプト上仕方のないことである。
ただ、カプ・コケコは地面タイプがいてもお構いなしに出てくることはあるので、
地面タイプ入りの構成も試してみても良いかもしれない。
軽業持ち素早さ118族から泥をかけるためだけに生まれてきた遊び人。
この泥遊びという技、5ターンの間電気技のダメージを1/3にするという技なのだが、
5世代までは泥をかけた本人が場に出ていないと効果がないという、
正真正銘のクソ技だった。
しかし、ルチャブル強化のため(かは不明だが)6世代で急遽調整が入り、
場に対して使う仕様となった。
(更に4世代にまで遡ると電気技の軽減率が1/2だったという本物のクソ技で完全に壁の劣化)
しかもこの泥遊び、全ての電気技、つまり味方や自分の電気技も軽減してしまう。
正直な所、強化されてなおクソ寄りの技なのだが、
物理型も普通にありうるカプ・コケコに対抗できるという点では唯一無二の存在。
他の技は軽業サポート要員にしては一般的な構成。
今は技スペースの関係でけたぐりを入れていないが、砂パ相手等
稀に欲しい時もあったので、初めは見切りの代わりにけたぐりを入れていた。
が、再戦した時にあまりにもルチャブル方向に猫騙し+電気技を集中されることが多かったので見切りに変更し、コケコ絶対許さないマンに転身することになった。
技に関しては暫定的なもので今後も変える可能性はある。
初期型では雷パンチを持っていて味方のレヒレに撃ち込んでいたりしたが、
ダブルバトルで味方を殴って実質バトルロイヤルをしている場合ではなかった。
ちなみにこの泥遊び、ルチャブルに遺伝させるのが面倒で、
ミミロル系統から遺伝させるしかないのだが、そのミミロルが覚えるのも遺伝技。
メガミミロップを使っていなかったら用意が面倒でお蔵入りになっていたであろう。
(しかもサンムーン時代は追い風が教え技のせいで6世代孵化が必須だった)
フィールドを発生させて軽業を発動させる役兼弱点保険発動後のアタッカー。
フィールド持ちで電気弱点はレヒレしかいなかったので自動的に採用。
WCSルールでもオーロラベールキュウコンや壁クレッフィ等と組んで保険レヒレは使っていたが
泥遊び環境下でのレヒレの硬さは尋常ではなかった。
例として初手対面などでよくあるコケコのZ10万ボルトで37.7%〜44.5%。
Z技を持ってしてもこのダメージで、無振りサンダーの10万ボルト程度では18.2%〜24%しか削れない。
火力も十分で保険発動後なら霊獣ランドロスをダブルダメージ濁流で落とせたり
コケコをムーンフォースで落とせるようになったりする。
凍える風は試験的に採用しているが泥遊びをしている状態だと放置されやすい問題があったので、
サンムーン期に使っていた瞑想個体、もしくはみがわりなんかも面白いかもしれない。
泥遊びをした後最も強くなるポケモンを考えた際にでてきたのがテッカグヤである。
このテッカグヤどれほど硬いかというと、泥遊びをしていてかつエレキフィールドでない状態だとコケコの珠10万ボルトをみがわりが耐えるのである。
更にレヒレの他の弱点である草や毒タイプに対して後出ししやすいこともあり、
パーティ全体との相性も良い泥遊び構築必須のポケモンと言えるであろう。
ビーストブーストは特防が上がるように調整してあり、フィールドを取られたとしてもブーストで特防が上がっている状態なら前述の条件と同条件となる。
型自体は一般的なやどみが型で主にトリパ対策で重要な役割を果たす。
このテッカグヤとルチャブルのフリーフォールでトリックルームターンを凌ぐのが対トリパの鍵になっている。
このパーティに採用した理由はメガ枠の電気弱点の中で一番強いポケモンだったから。
それ以上の理由は特になく、電気弱点のメガストーン持ちなら誰でもよかったが、
強いてあげるとすればコケコのもう一つの一致技であるフェアリー技を半減できることか。
そういう適当にいれたせいもあって、レヒレの濁流を弱体化させてしまったり微妙にパーティメンバーと仲が悪いが、
晴れている状態なら炎技とフェアリー技しか使わないのであまり問題にならなかったりはする。
元々はテラキオンが入っていた枠なのだが、せっかくなので大幅強化を受けたジャラランガを採用することにした。
(WCSルール用にテラキオンを捕まえてくるのが面倒だった)
このパーティ、レヒレはいるもののテッカグヤ、リザードンとヒードランに弱いポケモンだらけな上、ルチャブルの技構成があのていたらくなので
ヒードランに絶対的に強いポケモンが必要だった。
そこで白羽の矢がたったのがジャラランガである。
ジャラランガの専用Z技、ブレイジングソウルビートはZ技による守る貫通、
範囲技による全体攻撃、専用効果による能力上昇どれを取っても追い風と相性の良い技。
パーティに後から入れた弊害でレヒレのミストメイカーと相性が悪い。
しかしながら通常ダブルではランドロスやクレセリア等の浮いているポケモンも多く、
保険が発動した後のレヒレはほとんど引っ込めないため待っていればフィールドが切れることも多いので、気にせず同時選出することにしている。
技構成に関してはオーソドックスなものを採用。
火炎放射はリザードンとの相性を鑑みて。
特殊型なのにインファイトを採用しているのは気合球を撃ちたいタイミングは特になく、能力上昇後にヒードランやガルーラを確実に落とせればいいと思ったため。
元々はエルフーンが入っていた枠でテラキオンがいなくなったことで一緒にお役御免となり代わりに採用することになったポケモン。
ここまでのメンバー達では相手のレヒレが厳しかったため、高打点でレヒレを殴れるポケモンとして採用。
更にこの構築においてカミツルギはコケコに弱い草ポケモンという意味でも役に立っている。
この枠をうっかりフシギバナやナットレイにした場合、コケコが警戒してでてこなくなる可能性があるがカミツルギならその心配もない。
技構成、持ち物共に一般的な構成。
ヒードランやギルガルドを強引に削ってもらいたいので、気合の襷持ちで各種弱点をつけるようにしている。